このところ菰野町の素敵な方たちにたくさんお会いしてお話しして、すっかり菰野に魅せられている筆者。
人間の心理として知れば知るほど愛着が湧くし、関われば関わるほど誇りがうまれる。これはヒーローの加藤さんのインタビューでもあったが、アイデンティティを形成し、主体的に歩む為にはローカルやルーツへの理解が必要なように思う。
というわけで、自分の中でなんとなく気になった菰野という地名の由来となった「まこも」について記事にしてみる。
町名の由来となったマコモ
古代の地名は「伊勢国三重郡葦田郷」の中の薦野(こもの)で、その由来は土地の特徴である「川の流域で、葦や薦の生い茂る野」だったことに起因するといわれている。(諸説あり)
真菰は日本中に自生するイネ科の一種で、菰野町ではこの時期、水田で栽培される様子も見ることができる。(天気が悪くて写真を用意できず…)
薦(菰)とはマコモを原料とした「むしろ(菰)」のことであり、稲が伝わるより古くから神事などに用いられてきた。稲の伝来後は稲藁で代用されることが多いが、伝統的にはまこもでつくられることから真の菰ということで真菰と表現されており、とりわけ格式の高い神社や皇族の神事などでは現在でも重用されている。(出雲大社では毎年6月1日に「真菰祭り」が行われているそう)
真菰に黒穂菌という菌がつき、肥大化した新芽のことを「真菰筍(マコモダケ)」といい、一般的に食用として流通するのはこのマコモダケ。タケノコのような食感と、とうもろこしのような風味で火を入れて食べるとおいしい。
マコモダケが食用に適した収穫期を過ぎると、菌により黒い胞子が発生する。これを顔料としてお歯黒などに使っていたりと、古代から生活や神事にとても馴染みのある植物だったことがうかがえる。
悪戦苦闘する「マコモ」ブランドの確立
菰野町にとって大切な植物のマコモ。当然菰野町としてはしっかりフィーチャーしていきたいところ。
とはいえ、もともと雑草扱いのような感じで全国に自生しており、菰野原産であったり特有のものでもなく、なかなか訴求しづらい。
じゃあ特産品にするぞ!!といっても、栽培~収穫は機械化が難しく全て手作業…かつ収穫時期も短く量産に不向きなのだ。
わりとおいしく栄養豊富だけど、特徴がある味でもなくエッジが立ちにくい。
ならば!ということで菰野町商工会はゆるキャラブームの2012年に満を持して…

「マコモはかせ」というゆるキャラを発表!これで天下取るんや!!ってことで明るい未来を描きます。
が、同年悲劇がおこります。
ゆるキャラ「マコモはかせ」ポケモンのキャラと名前が被る→愛称とりやめ
なんと、ポケモンのキャラと名前がかぶったのです。

天下のポケモン様のキャラクターデザインにはさすがに敵わず、乗っかるという大胆さや不敵さもなく、ただお蔵入りとなったマコモはかせ。
町民の人はマコモはかせの存在を覚えているのだろうか…。
真菰、再度チャンス到来か
あれから8年の時を経て、再びチャンスがやってきた。
今や国民的大ヒットとなっている「鬼滅の刃」のキャラクターに、なんと「真菰」という名前の子がいるのだ。

登場シーンは少ないものの、重要なシーンでの登場ともあり人気のあるキャラクターだ。
マコモはかせの無念を晴らすべく、是非菰野町のPRに一役かっていただきたいところである。
今回は菰野町の地名の由来となったといわれる真菰についての記事を書くにあたり、菰野町のHPや図書館の菰野町史などを見たのだが、なかなか面白かったので町民の方は菰野町の歴史について調べてみるのはおすすめ。
湯の山の歴史
http://www.town.komono.mie.jp/kyodo/33/index.html
こもの歴史こばなし
http://www.town.komono.mie.jp/rekishi/bk_rekishi.html