地方の空き家でナニスル?

人口減少と都市への人口集中による地方の過疎化で、日本全国で発生している「空き家問題」ですが、菰野町でも例外なく空き家は問題になっています。

「空き家バンク」などのサービスで行政や民間でもいろいろ施策はありそうですが、なかなか効果的に解決に向かっている気配はあまり感じませんよね…。

そんなわけで「菰野の空き家」はどういう経緯で空き家になり、家主はどんな事情を抱えていて、何かうまい使い道がないものか?を考えたい。

というわけで実際聞きに行ってみました。

菰野の空き家事情

筆者の身近なところから聞いて回って探したところ、一軒の空き家情報が舞い込んできました。

奥には畑として使えるスペースもあり、かなり広い。

立派で素敵な平屋の古民家。いま新たにこういった家が建つことはほとんどないと思いますが、地方の空き家といえばこういう建て構えが多いように思います。

もはや筆者が住みたいレベルだし、店舗としても利用できそうですね。プチ旅館としての民泊や研修施設なんかとしても使えそうな…

と、いろいろ妄想が捗る物件に早速出会ってしまいました。

しかし、こんないいところがなぜ「空き家」なのでしょうか?

そんなギモンを家主さんに聞いてみました。

「空き家」はなぜ空いてるのか?

この空き家の家主は古くから菰野の家系だというHさんにお話しを伺いました。

─いまここは使ってないんですか?

ちょっと前までは畑をやってたけど、手入れも大変やからいまは畑は自分の家のとこだけで、こっちは掃除だけやね。

─この家は貸されてたんですよね?

もともとは親族が美容室兼住宅として利用してて、そのあとは高校の部活の寮だったり、夫婦が住んでいたり、エステサロンや整体サロンなんかもやってたな。



たしかに立地も悪くなく、年季は入っているものの綺麗な建物なので人気があるのもわかります。しかも今でも「借りたい」という声もあるそう。

─借りたい人もいるとのことですが、貸しちゃえばいいんじゃないですか?

もう古い建物やし、言っても田舎やから貸したとしても固定資産税やら維持管理費やらで利益はほとんどないんよ。これまで借り手さんと大きなトラブルはなかったからありがたいけど、貸し借りは気も使うし、田舎やで煩わしいことは避けたいから気が進まんのやわ。

─なるほど。たしかに利益もないのにリスクがあるのは辛いですよね。不動産業が本業でもないわけですし。

子どもが住んでくれたらええけど、まだいらんって言われるから、貸すに貸せんし売るに売れんしで。売るよりは継いでくれた方がほらええんやけど。

─たしかに。土地建物を買おうと思うと相当な額ですけど、売っても二束三文となれば身内が継げるなら残したいのが心情ですよね。でも人が住まないと建物は傷むし、土地は荒れるし。貸すのも躊躇われるし…。ということですね。

地方の空き家に未来はあるのか?

これ、ほとんどの地方の空き家のシチュエーションと重なるのでは?と話していて思いました。

「借り手」としては普通の賃貸や新築より費用が安いのが魅力となっている空き家。

「貸し手視点」で見ると貸すメリットは薄いし、まったくの他人に貸すには自分のテリトリー内過ぎて躊躇われる。

「自治体」としては空き家を資産として運用して外部から人を呼び込みたい。

このミスマッチがブロックになっているように感じました。

「借りたい人」と「空き家を持ってる人」が近くなるような場があればいいのかな?などと考えながらも、もっと自分ごととしてこの課題に触れ続けてみないと本質は見えないな…と悶々としていた私は次の瞬間Hさんに「ここの手入れ、やらせてもらえませんか?」と自然とお願いしてしまいました。

先ほどのくだりからすると、割と近めの関係性とはいえ、部外者の筆者がこの土地に出入りするのは好まれないかな…と思っていたのですが「すぐにでもやってほしいよ 笑」との返答が。

コモマニ的空き家チャレンジ

かくして空き家を手入れすることになった筆者ですが、なんと「畑も使っていいよ」と言ってくださったので、初の農業チャレンジもスタートすることに。

家庭菜園のレベルではなく、畝を立てるのも重労働でした。

畑の記録はまた別シリーズでもやっていきたいと思うのですが、これは仲間を募集したい!と強くおもいました。(楽しいけどなにせ広い…!)

この記事を読んでいただいた方で「お、やってみたい」「空き家や空き地の利活用に興味ある」という方は是非!

komono.inc@gmail.com または twitter または instagram にDMください!!

また「同じように空き家を持て余しているけど管理がなー…」と悩まれている家主さんも是非ご連絡ください。何かお力になれるかもしれません。

現在、この空き家は畑で作物を育てつつ庭の手入れをしながらレンタルスペースとしての活用を模索しており、その他の可能性についても仲間を見つけながら切り拓いてゆきます。

数年後、コモノの話題のスポットになってるかも?

最新情報をチェックしよう!